こうやって、考える。

著者: 外山 滋比古

概要


「考える力」が大事だと言われるようになって久しい。では、我々は普段、本当に自分の頭で考えているだろうか?調べればすぐに答えが出てくる時代だからこそ、知識を集めただけで、考えたつもりになってしまうことがある。著者は、『思考の整理学』で知られる英文学者であり、お茶の水女子大学の名誉教授を務めた人物だ。本書は、そんな著者がこれまでに書いてきた数多くの著作の中から、発想力を鍛えるためのヒントを150個選んでまとめたものである。一つひとつの言葉は短いが、その中に考えるための習慣が詰まっている。ここではそれを話していこう。

章ごとの概要


第3章 思考力を高める方法

ものを考えるのに、一番良い時間はいつだろうか?著者は、朝、目覚めてからの短い時間が良いと言う。朝に考えたことを、その日一日の基準にするのだ。

また、著者は知識に甘えてはいけないと言う。知識は役に立つ。しかし、知識が豊かであるほど、自分で考えなくなり、思考力が働かなくなる傾向にあるのだ。だからこそ、新しいことや常識に対して「これ、なに?」と自分に問いかけることが、考えることの出発点になる。

誤りや失敗を怖れないことも大事だ。常識に支えられたものは、新しいものを生み出しにくい。一方で、誤っておこったことや失敗したことは、常識を超えているからこそ、新しいものを生む可能性を持っている。

そして、いい考えが浮かんだら、めったなことでは人に話してはいけない。話すと満足してしまい、考え続ける気持ちや、文章にまとめる気力が薄れてしまうからだ。うまくいかないときは、一度そのことから離れて、別のことに取り組んでみる。しばらくして戻ってみると、案外すんなりと進むことがあるのだ。

考えたことを残しておくことも欠かせない。著者は、本は読みっぱなしにせず、あとで必ず感想を書くようにするべきだと言う。手帳にメモをしておき、時間を置いて見直してみる。すると、そこから新しいアイデアが生まれることもあるのだ。メモには通し番号と日付をつけておくと、後で役に立つ。

第5章 思考につながる読書

本を読むことは、考えることにつながっているだろうか?我々は、本をたくさん読めば、それだけ賢くなると考えがちだ。しかし著者は、本を読むだけになってはならないと言う。本は知識を増やすのには向いている。その一方で、自分で考える力を奪ってしまうこともあるのだ。

そのため、著者は、愛読書を安易につくることや、多読を自慢することを戒めている。大事なのは、読んだ冊数ではない。何度読んでも新しい発見がある本を数冊持っていれば、それで十分な読書家なのだ。

さいごに


この本を読んでの感想

自分は、自分自身の考え方に不安を感じていました。特に、嫌なことから逃げてしまうという癖です。この癖を直したいと思い、本書を手に取りました。

読んでみて、正直なところ、特別に納得したという部分はあまりありませんでした。これまでに色々なところで言われてきた格言を、「なるほど」とうなずきながら読んでいた感覚です。

自分に当てはまる部分は、多くありました。例えば、感想を書くということは、このブログを書いている通り、かなりできていると感じました。ただ、それ以外に「これは自分がよくできている」と特筆できる部分は、なかったかもしれません。

本書に書かれていた内容には、父などから言われ続けてきた考え方と重なるものが多くありました。これからは、それらの考え方を引き続き実践していきたいと思います。そして、できていなかったものは、改めて実践していきたいです。

この本のおすすめ度(☆2)

本書は、色々な格言を寄せ集めたものという印象が強かったです。この本だからこそ得られたという知識は、なかったと言っても良いと思います。自分が読書に求めているものとはベクトルが異なるため、これだけを指標にするのは心苦しいですが、評価は☆2とさせていただきます。逆に言えば、読書に慣れていない人や、初めての1冊を探している人にはおすすめできます。また、本書のような題材を扱う本を初めて読み、色々な考え方を横断的に取り入れたい人にも、おすすめできる一冊かもしれません。

投稿者 marumoto tokito

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