アフターデジタル

著者:藤井保文、尾原和啓

概要


今回は、藤井保文さんのアフターデジタルを読んだ。この本では、現在のデジタル化した社会における、経営・商品をより売り上げる方法などが記載されている。最初に、実際にデジタル化した社会に対して、アフターデジタルの考え方を導入している会社の導入事例を示している。そして、デジタル化した社会において、人間の行動データというのはビッグデータとして保存され、そのデータ(UX)を利用することで、より商品を購入してもらうことにつながる。このことがわかった後は、その知識を実際の事例からどのように活かすことができるかの実践・提案を挙げていく。といった内容であった。

章ごとの要約


1章:知らずには生き残れない、デジタル化する世界の本質

概要でも、書いたがデジタル化する社会における実際の事例の内容から、どのような部分でデジタル化しているかということを実際に我々に教えてくれている。実際の事例というのは、中国の市場についての内容である。中国では、世界各国と比較してもデジタル化が進んでいるようだ。その基盤というのを、一番最初にデジタル化した社会での変化などを記載している。

では、デジタル化した社会というのはどのような変化がもたらされるのだろうか?デジタル化した社会では、購買データ(その人が何を購入したかのデータ)を常に集められ・信用データ(支払い能力などを数値化したデータ)などを人個人個人に、付与される。このデータにより、個人個人で受けられるサービスが異なってきたりすることがあげられる。要するに、このアフターデジタルとは資本主義におけるビジネスの行い方を、そのようなデータを用いることで新しいアーキテクチャを構築し、変化させることを目的とした著作であることが読み取れた。

ユーザーが、何かを購入するとPOSレジなどで、購買データがたまる。それをサーバーに送信し保管する。

保管されている購買データを、企業側は使用してビジネス戦略を打ち出し、ユーザーに対して新しいビジネスなどを反映・提供する。上記が、アフタービジネスの概要である。

1章の感想

ここまで読んだ自分の感想としては、現在のスーパーで行われている自動発注などのシステムのビジネスモデルなどとあまり変わらないなと感じてしまった。スーパーで行われているビジネスモデル、POSレジで購入したものとポイントカードの使用者情報を重ね合わせることで、来週の発注数を調整するようなイメージであるだろうか。。。ただ、この購入したものの情報などを一元管理することで、信用情報などといった個人を新たに数値で表すという点に関しては驚いた。ただ、日本にこのまま持ってくることができるかと言われると難しいと感じたところで次章の内容に続いていく。

2章:アフターデジタル時代のOMOビジネス

この章では、前章で述べていた実際の事例から、ビフォアデジタル時代のビジネスからアフターデジタル時代のOMO型のビジネスのアーキテクチャの変化・そのものについての内容にシフトしていく。まず、読んでいった上でビフォアデジタル・アフターデジタルの違いを理解しておかないとこれからの内容がいまいちわからないと考えるため、以下のイメージを共有する。

ビフォアデジタルとアフターデジタルのイメージの違いのイメージ

まず、この図では著者の考えるアフターデジタルとは、アナログ世界(リアル世界)がなくなるということではないということだ。むしろ、アナログ世界はデジタルの一部として動いていくということだ。自分の場合、アフターデジタルとはアナログな世界が消え去った世界と考えていたため、このイメージというのは衝撃的でした。(本を読み込んでいくと、1章でイメージはできていましたが。)

このイメージの紹介の後は、アフターデジタル先進国中国での事例です。紹介されたうち、自分が一番驚かされた部分について話をしていこうと思います。

中国最大手の車販売業者ビットオートの話:ビジネスでのデジタル

こちらでは、アフターデジタルもといOMOビジネスの考え方におどろかされた。自分が考えるアフターデジタルでは、すべての内容をデジタル化することということだが、アフターデジタルが進んでいる企業では、デジタルとアナログといった部分の境界というのを考えていないとのことだ。自分では、しっかりと境界線を引いてしまっていましたが、その境界線をあいまいにしていることで、現段階での店舗型でのビジネスというのを、宅配型というオンラインの側面を持たせるハイブリットとして扱うということに対して驚いた。基本的な内容としては、境界線をあいまいにしていくことというのが具体的な例として挙げられていた。

3章:アフターデジタル事例による思考訓練

この章では、主にアフターデジタルは、リアルを重要視していくことについて実際の事例と、統計からの事実について述べられていた。2章でも記述した、アフターデジタルは、デジタルの中にアナログが存在するというところの、アナログ部分についてより深く掘り下げていくような内容であった。大まかに章をまとめてみると、アフターデジタル化した社会においては人間にとってデジタルなものが大半を占めてしまうと考えられる。例えば、無人レジや無人改札、無人タクシーなどが、人間がデジタルによって置き換えられてしまう主なものの例だろう。このデジタル化が進むことで、人間同士のコミュニケーションなどがより重きを置いてくるとのことだ。顧客体験の重みというのが、これからは重要になってくるだろうというのを中国の事例・中国の大企業(仁邨など)の会話から示していた。

アフターデジタル化することにより、アナログが占める部分が減少する。少ないアナログ(リアル)の側面が貴重なものとなる。その部分をいかに素晴らしいものとして、顧客相手に提供できるかが今後の企業の存続につながる。

この章で一番自分が感じた違和感について、話をしていこうと思います。

無人レジ自体には価値がない

この部分については、とても自分に違和感を突き付けられた。まず、無人レジが何であるかについて考えてみた。無人レジとは、スーパーやコンビニなどで有人のレジではなく人がいないレジに行き、自分で購入した商品などをレジに通し会計をするものである。この場合、自分を含めてアフターデジタルがわかっていない人間からすると、「無人レジ=人との接触点をなるべく減らすもの」という認識があるだろうと考えられる。そこで、本の内容に戻ると、確かに無人レジとは「レジをする際における人との接触点を減らす」ものであるとの主張が強かった。これは、アフターデジタルが浸透している世の中で生き残っている無人レジのことをよい無人レジであるとするためである。結局のところ、無人レジにすることで得られることは、会計のわずらわしさを減らし、異なる側面でのサービスを提供することが可能になるとのことであるとのことだ。会計の手間がかからなくなることで、スーパーやコンビニといった場所を新たなコミュニケーションの場として再展開することこそが、無人レジの導入の価値であるということを伝えていた。この視点というのは、無人レジの機能の部分に着目していると見落としてしまいがちな視点であったため、自分によりマクロな視点で物事を見るということの重要性を教えてもらったと考え、また、異なる側面からの考え方・事実に基づくものとして自分は大変驚かされた。

第4章 アフターデジタルを見据えた日本式ビジネス変革

この章では、主にこれまでの章で説明してきたアフターデジタル化における変化や、アフターデジタルにおける経営の考え方などを総まとめしている章であった。もう少し具体的に言うと、中国の事例から、1章でまとめられていた支払いなどをすべてデジタルのデータとして保管すること(UX)をどのように生かしていくか、2章でまとめられていたアフターデジタルとは、すべてのものをデジタルに置き換えるのではなく一部を、アナログチックなサービスとして提供するという、最もアフターデジタルという言葉を表していると考えられる部分について、そして、3章でまとめられていた、「アフターデジタル」とはデジタルな部分に一部を置き換えることで、よりアナログチックな部分における顧客体験の重要性の3つの章の内容についてまとめていた。そこから、日本に中国での事例、実際に著者が中国で感じたことから日本の社会にどのように適用していくかということについて話を進めていた。筆者としては、最後に日本にアフターデジタルの考え方を浸透させるには、より多くの体験をユーザーにさせるべく企業側が重い腰を上げる必要があるとの見解でこの本は終了した。

まとめ


この本を読んでの感想

アフターデジタルを読んで、自分はよりアナログ(リアル)の側面を重要視するように努力しようと感じた。これからの社会においては、ほぼすべてのものがデジタル化していくだろうと考えられる。この著作の中でもあった、無人レジについてもだが、現段階で紹介があったもの以外にもファミレスでロボットが食べ物を運んできてくれたりと、身に染みてデジタル化が進んでいると感じることができる。そのようになると、サービスを受けるユーザー的視点からでは、アナログ的な側面がとても重要であったことがより一層感じることができた。例えば、コンビニの店員の態度が悪かった・ラーメンを食べに行くと店主が大きな声であいさつをしてくれたなど、これまで自分がその店についてもっていた印象というのはアナログ的側面からきているのだと感じられた。デジタル化すると、その側面はより顕著になるだろうと考えられる。その部分で、リアルでの側面を重要視しようと考えた。ただ、UXに関しては個人の問題ではどうしようもないとは感じてしまった。顧客がどのような動きをしているのかなどのデータは、日本では大企業などしか持つことのできないデータのため、その部分については、アフターデジタルにおける知識として、もし経営や方針を打ち出す立場になった際に使用することと考えた。

おすすめ度(星3)

この著作に関しては、経営層やプロジェクトの方針を打ち出す層のレベルの人が見ると、新たな視点の開墾となりいい知識や、実際の事例などを知れてよい本であったと感じた。だが、そのレベルの頭の回転が速い人が読んでしまうと、同じ事の説明を何度もされているように感じてしまうかもしれないという点では、少しおすすめすることに気後れしてしまった。しかし、冗長的に説明されていることを言い換えると、知識や紹介している内容はかなりかみ砕かれて説明されているともいえるため、読むだけで経営的な知識がない人でも、新たな視点を持つことができると考える。そのため、多くの層の人におすすめできる本である。今回の内容は、主に実際の事例に混ぜて、考えが紹介されているタイプの本のため、自分がまとめた内容以上に詳しく知りたいと感じた人は、ぜひ手に取って読んでみることを勧める。

投稿者 marumoto tokito

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